ソフトウェアによる高速化第2弾は、ハードディスクのバスマスタ転送を高速化しようというものです。 ThinkPad535の初期モデルは、プリインストールのWindows95がOSR2.1(IDEバスマスタをサポート)ではないこともあって、バスマスタ転送になっていないことと思います。OSR2プリインストールモデルでも、ドライバを換えることによって少しは高速になるかもしれません。 ハードディスクの高速化は単にファイルの読み込み・書き出しの短縮だけではなく、スワップファイル利用時のパフォーマンス向上にも効果がありますので、システム全体の高速化に寄与します。 ということで、さっそく作業をしてみましょう。 |
1 概説 ThinkPad535-EF8にはインテルのチップセットが使われています。メインのチップ(ノースブリッジ)が82437MXで、通常430MX、モバイルトリトン(トライトン)と呼ばれるものです。そして、これと対になって使われるチップ(サウスブリッジ)が82371FB(PIIX)です。 この82371FBは、PCIバスとISAバスをつなぐ役割をするのですが、IDEコントローラーがISAデバイスとして位置づけられているために、この82371FBの中にその機能が組み込まれているのです。しかも、このコントローラ部分はバスマスタ転送機能をサポートしているのです。 そこで今回の作業で、この82371FBがサポートしているIDEバスマスタ転送をドライバを入れ替えることによって有効にします。 2 ドライバの入手 まずは、肝心のドライバを入手しましょう。ドライバはインテル社のWWWサイトで入手できます。名称は[bmide_95.exe]です。[http://developer.intel.com/design/chipsets/drivers/busmastr/index.htm]で手続きを踏んでダウンロードしてください。なお、同じ場所で万が一トラブった場合にもとのドライバに戻すことのできるアンインストーラー[deinstbm.exe]もあるので、不安な人はダウンロードしておきましょう。 3 インストール ダウンロードしたファイルは自己解凍形式ですので、エクスプローラー上などからダブルクリックするだけでインストールが開始されます。 と、その前に現在起動している他のプログラムや常駐ファイルを、可能な限り終了させてください。私はシステムエージェントもサスベンド(タスクトレイ上で右クリックでメニューが出ます)させました。また、ファイル自体もできれば他にファイルのないフォルダで実行させる方がいいでしょう。 あとは、プログラムに従って進行させるだけです。最後に再起動させるように表示されますので、指示通り再起動します。 再起動時にはドライバデータベースのデータ更新が行われたりするので、起動に時間がかかったりしますが、ゆっくり待ちます。 4 ドライバの確認と設定 さて、無事にドライバが入ったかどうか確認してみましょう。 コントロールパネルから「システム」を選び、「デバイスマネージャ」のタブをクリックします。「ハードディスクコントローラ」の中のドライバが「バスマスタリングハードディスクコントローラ」などの名称になっているか確認しましょう(下の画像参考)。 |
さて、これでめでたしめでたし…ではありません。この後に1カ所設定を確認しなければならないところがあります。それは、おなじ「デバイスマネージャ」の「ディスクドライブ」の項目からIDEハードディスクのものを選択し、「プロパティ」を表示させてください。ここの「DMA」にチェックがされていなければ、チェックをしてからコントロールパネルを閉じます。すると、再起動しますか?と聞いてきますので、素直に再起動させでください。再起動後もう一度同じコントロールパネルを表示させて、DMAの項目にチェックがついているか確認してください。サポートされていないと自動的にチェックが外れてしまうので、チェックされたままになっていればDMAが動作していることになります。 なお、バスマスタっていうのは、DMAの一種のことです。 |
ここまで設定が完了すればかなり高速化していると思いますので、その筋(笑)の方はベンチマークで確認してください。私が使っている「Super Pi」でも時間短縮が確認できます。もちろん、ベンチマーク命の人はわかっていると思いますが、ドライバ交換前のデータを取っておくことを忘れないようにしてくださいね。 |