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雑感

PCIビデオカードベンチマーク大会♪第9弾おまけ企画

PCIビデオカードは次世代の波を乗り越えられるのか?


 2012.02.01
 何度も書いているとおり、毎回、これが最後と思って書いているこの企画なのだが、とうとう2012年に突入してしまった。2006年12月に大々的にこの企画を始めてから5年が経過したわけである。まぁ、それ以前からPC-9821XvやPC98-NX用にPCIビデオカードを用意してベンチマークデータを掲載するということをやっていたので、実際には10年近くになるのかもしれない。
 その間に、動作対象OSはWindows 98/Me/2000/XP/Vista/7と6世代にわたってきており、あたらめて振り返ってみるとそれなりに歴史を感じる流れである。
 
 そして、いよいよ今年はWindows8がその姿を現そうとする年である。このままで行けば、間違いなくWindows8でもPCIビデオカードを使う環境ということが想定される。とすれば、Windows8世代におけるPCIビデオカードの姿を考えてみるのも一つの役割ではないだろうか?

 そんなわけで、いつものベンチマーク環境にWindows8のプレビュー版であるWindows Developer Previewをインストールし、動作状況を確認してみることにした。

MOTHERBOARD:ASUS P5LD2 SE
CPU:intel Celeron D 340J(2.93GHz)
MEMORY:DDR2 SDRAM 3.5GB(Non ECC/FSB=533MHz)
Chipset:intel 945P+ICH7
SSD:アイオーデータ SSDN-ST64B(Toshiba THNS064GG2BBAA)
Optical Drive:HL-DT-ST GSA-H60L(OEM)
OS:Windows Developer Preview(32bit)
DirectX:11&9.0
Browser:Internet Explorer10 Developer Preview

エントリーするビデオカードは以下のとおり。
型番(発売元、搭載GPU)の順。

1 GF6200A-LP128H(玄人志向、GeForce6200A)
2 SP95GTG1024D2L-HP(SPARKLE、GeForce9500GT)
3 ZT-50610-10L(ZOTAC、GeForce GT520)
4 ZT-40605-10L(ZOTAC、GeForce GT430)
5 H435H512PP(HIS、RADEON HD 4350)
6 H545H512P(HIS、RADEON HD 5450)

 使用するGPUドライバのバージョンは、本編と同じCatalyst11.12及びNVIDIA Graphics Driver 285.62である。なお、GF6200A-LP128Hのみドライバがインストールできなかったので、OS標準ドライバとなっている。
 それではWindowsエクスペリエンスインデックスから。

Windowsエクスペリエンスインデックス

 Windows8でも、インデックス値はWindows7と同じような数値を表示するようだ。Windows7の値と比べてみると、ZT-40605-10L以外はほぼ同じになっている。ZT-40605-10Lは、ゲーム用グラフィックスの値がかなり低い値となっているが、これは今後のドライバの改良で数値が改善されるのではないかと考えられる。
 なお、 GF6200A-LP128HとH435H512PPは、プログラムが完走しないとかハングアップするなどして、計測結果が得られていない。

 次にゆめりあベンチ。

ゆめりあベンチ

 これは、ほぼWindows7と同じ結果に。あえていえば、SP95GTG1024D2l−HPとGF6200A-LP128Hがちょっと大きめの差が出ているようには感じる。このあたりは、ハードウェア面でのDirectX機能のサポート範囲が影響しているのかもしれない。


 続けてタイムリープぶーとベンチとFINAL FANTASY XIV Benchmarkの結果。

タイムリープぶーとベンチ

FINAL FANTASY XIV Benchmar

 こちらもWindows7とほぼ同じというあまり面白みのない結果に(笑)。

 そして、3DMark06。

3DMark06

 H545H512Pが頭一つ抜けているのは変わらないのだが、他のモデルがほぼ同じスコアなのに対し、わずかながらスコアが伸びているのは注目かも。


 さて、WebVizBenchである。

WebVizBench

 ここでは、GF6200A-LP128Hが完走しなかった。どうやっても、Video Encodeでハングアップしてしまうのだ。メモリ容量が影響している可能性が高いと見ているがどうだろうか?
 そして、H545H512PがWindows7に比べて数値が落ち込んでいる。H435H512PPと比べてちょっと低すぎるような。

Kraken

 KrakenでもH545H512Pが明らかに遅い。あと、SP95GTG1024D2L-HPも1割くらい遅くなっている。


 最後に、3DMark11のスコアを載せておく。

3DMark11

 Windows7環境ではH545H512Pしか3DMark11が完走しないことは本編で書いたが、Developer Preview環境ではZT-50610-10Lでも完走した。そして、ZT-50610-10Lの方がかなりスコアが上であった。


 ということで、Windows8環境を想定したWindows Developer PreviewにおけるPCIビデオカードの動作状況を確認したわけだが、どうだろう?

 とりあえず、Windows8になってもWindows7世代のアプリケーションを使用する限りにおいては、ほぼ同一の使用感になりそうだ。起動時の標準メニューがMetroスタイルになっているが、これをクラシック表示とかにできれば、たぶんWindows7との違いはほぼわからないのではないだろうか?もちろん、Windows XPからのアップグレードだと戸惑うことも多いとは思うのだが。

 ということを書いておきながらなんなのだが、実は今回のテストで最も感じたことは、Windows8世代ではGF6200A-LP128Hは使用に適さないということだ。メモリ容量やGPU機能の不足等により、起動時のMetroスタイルのタイリング表示ですら滑らかには表示されないため、このままでは実用には適さないと思われるのだ。大体、OS標準ドライバでWindowsエクスペリエンスインデックスが完走しないというのでは、OSが想定する基本動作を満たせないということになる。これからのWebがHTML5メインになっていくことを考えると、レンダリングアクセラレーションが有効にならない or 遅いというのは、明らかな弱点と言えるだろう。

 結論としては、HTML5アクセラレーションへの対応も含めて、今後PCIビデオカードを購入するのであればDirectX10以上、できればDirectX11対応の最新世代のものを購入すべきであろう。さらに、メモリクロックよりもGPUの内部処理ユニット数などの性能差が影響が大きそうなので、できるだけ上位クラスのGPUを積んだものを選択した方が幸せになれそうである。



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