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PC-9801RX21改造


 私が改造に改造を重ね、いまだに現役で使っているというPC-9801RX21の改造情報です。まさか21世紀になってまでもアップデートすることになるとは思いませんでしたが…

Front View
PC-9821RX21改 正面

 このPC-9821RX21改の現行スペックは以下の通りです。
メーカー  NEC
機種名  PC-9801RX21改
CPU  IBM 486SLC2/50MHz
 (CPUアクセラレータとして、
   アイ・オー・データ PK-X486S50搭載)
CPUクロック  60MHz
システムクロック  15MHz
メモリ  8MB(専用スロット3MB+Cバス4MB増設)
ビデオカード  I・O・DATA GA-1024AL
SCSIカード  ICM IF-2771
SCSI HDD  540MB
サウンドボード  NEC PC-9801-86
PD/CD-ROM  Panasonic LF-1000
備考  使用しているOSは、MS-DOS5.0A-Hです。
  あと、外部3.5インチFDDを増設していますが、完全自動切り替えを実現しています。

 まず、システムクロック関係の改造部分です。
 カバーを開けると左手前側にCPUボードが見えます。フロントパネル側には内部増設用のメモリスロットがあります。

モジュール部分1

 フロントパネル側からのぞき込んだときに、FDDユニットのすぐ左側に3つ正方形のクロックモジュールが見えます。このうち一番手前側のモジュールがシステムクロック用です。標準では49.125MHzとか24.5MHz近辺の周波数になっています。
 私の知る限り、RX2時代から含めて前期が4分周のため50MHz近辺が、後期が25MHz近辺が使われています。
 このモジュールを取り外し、かわりに8pinDIP用の丸ピンICソケットを取り付けておきましょう。これは、モジュールの交換を容易にするためのものです。
 この写真では、すでにモジュールを交換済みのために60.000MHzのDIP14pinタイプのものがついています。

 下の写真は左側面から写したもので、右側がフロントパネル側となります。スピーカーのそばに位置しているボードが内蔵3MBメモリボード、左側がCバススロットとCPUボードとなります。緑と赤のケーブルはCPUファンのケーブルですが、これについては後で触れます。

CPU周辺

 基板だけの状態にしてモジュールを取り外したところを写したものが次の写真です。

モジュール周辺部2

 下側の白いソケットがCPUボード用のコネクタで、上側がフロントパネル側となります。DIP14pinタイプのモジュールを使うことが決まっているのであれば、最初から14pinのICソケットを使うといいでしょう。もし、8pinソケットに14pinタイプのモジュールを載せる場合には、変換ソケットを挟むなどの工夫が必要です。

 つづいて、CPUボードへのアクセラレータの搭載ですが、当初はメルコのHSL-C25というアクセラレータを載せていました。
 これは、CyrixのCx486SLC/25MHzを搭載した本体クロックと非同期で動作するもので、アクセラレータに搭載されている50MHzのモジュールを66MHzに交換することによってオーバークロック動作が可能だったので、CPUを33MHzで駆動させていました。ただ、このシリーズのアクセラレータはクロックが非同期のために安定性を欠く点があったのが残念なところです。

 2代目として、同じメルコのHRX-C12Tを搭載しました。これはCyrixのCx486DLC/40MHzを搭載し、本体クロックの3倍でCPUが動作するというものです。これは、改造すると4倍速動作が可能になったので、CPUをおよそ50MHzで動作させることができました。ただし発熱が多いため、オーバークロック動作させるためにはかなりの冷却が必要となります。4倍速動作に関する詳細は、HRX−12T改造ページを参照してください。
 実際の動作環境としては、システムクロックを14MHzにしてアクセラレータは3倍速動作(42MHz)という設定で、かなりの期間使用していました。この頃が、本機の黄金期だった気がします。

 そして、現在の3代目がアイ・オー・データのPK-X486S50です。IBMの486SLC/50MHzを搭載し、アクセラレータボード上の2倍速回路と合わせて、システムクロックの4倍速動作が可能というものです。

PK-X486S50
アイ・オー・データ製PK-X486S50

 IBMの486SLCについては、いずれ別のページで触れるつもりなのでここでは詳細は書きませんが、動作周波数が高いため発熱が結構あります。特に、オーバークロック動作をさせようという場合には、放熱器の搭載は必須でファンの取付を推奨します
 なお、現在はシステムクロック15MHz、CPU動作クロック60MHzとして運用していますが、このアクセラレータは58MHz近辺から上の周波数では正常に動作しない場合があるようです。この場合には、ボード上のSW1の設定を変更することにより、動作可能上限周波数が上がる場合があります。だたし、中には数値演算プロセッサの動作を停止させる設定などもあり、誤った設定をすると破損する可能性が多分にあることはあらかじめ御承知おき下さい。もしかしたら、この設定についてはマニュアル等で触れられている可能性があるのですが、ジャンクで入手したためマニュアル等が一切無く、不明な点が多いためこんな表現になっています。だいたい、キャッシュドライバだってメルコのHRX-12Q用設定を流用しているくらいですから。

 このアクセラレータボードの実装状況ですが、下の写真のとおりです。

アクセラレータ搭載状況

 CPU上にはTO-220(130)用の放熱器を2個組にして貼り付け、その上に5V動作の小型ファンを取り付けています。このクラスの放熱器を取り付けてやれば、それほど熱くなることはないようです。ファンの電源は、内蔵HDD用に用意されている電源コネクタからとっています。後述の排気ファンは同じコネクタの12Vラインにつないでいます。ここまでやっておくと、オーバークロックさせてもあまり熱くなりません。
 さて、CPU周辺部には増設メモリボードなどが存在し、比較的熱がこもりやすい感じがします。このため、排熱にも多少の工夫をしています。

後部排気ファン

 上の写真のとおり、リアパネルのHDD搭載部に排気ファンを増設しています。内蔵HDDを使用している場合は使えない手ですが、このファンをうまく設置することによって、フロントパネルからの吸気が増加します。

 クロックアップ以外の改造状況ですが、外部3.5インチFDDの自動切り替えにあたっては、I/O割り込みに合わせて強制的にI/Oポートを制御するという方法を取っています。専用のボードを作るほどのものでもないので、GAL(*)を焼いてサウンドボード上に実装しています。
*GAL=プログラマブルなデバイスの一種。ゲート回路を内蔵していて、プログラムにより回路を構成して自分用のオリジナルなICを作ることができる。
FDC部分

 その他は、セカンドバスの搭載といったしょうもないものなので、画像だけ掲載しておきますので、必要なら参照してください。

 SCSIボード裏面にL型のカードエッジコネクタを半田付けし、EMSボードを取り付けています。

セカンドコネクタ

 実質的には、2枚のボードスペースに3枚のボードを押し込む感じになっています。

リアビュー

 RXの基板全体を眺めると、以下のような感じです。

RX基板

 全体としてはスッキリした印象を受けます。ROMには120nsのものが使用されていますが、なかには150nsのものが使用されていることもあるようです。このあたりでも、クロックアップの上限が異なってくることがあるようです。

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