レガシーデバイス切り捨ての名の下に、PS/2ポートを排除したことで有名な初期VALUESTARシリーズだが、実はキーボード・マウス用にちゃんと2つのPS/2ポートがついていることもまた有名な話である。さすがに、NLXフォームファクタのマザーボードを使用してコストを下げている以上、カスタマイズでコストアップなぞするわけがないので、当たり前といえば当たり前なんだけど。 このPS/2ポートだが、USBが普及した今となってはあってもなくてもそれほど影響はないのだけど、初期Windows95やWindowsNTを使う場合には、標準キーボードとマウスのセット以外を選べなくなってしまうのでツライものがある。特に、ワイヤレスマウスを愛用している身としては、なんとかこれを使えるようにしたいところである。 そこで、内部に用意されているPS/2ポートを利用するのだが、コネクタのついているパネルには厚い鉄板が使用されているため、穴を開けるのはなかなかに困難である。それでも頑張って穴を開けて使われている方もいるようだが。あと、パネルそのものを取り外してしまうという手もあるのだが、隙間ができてしまうために空気の流れが変わり、内部の冷却に影響を及ぼす可能性があるので、これはできるだけ避けたいところである。 とすると、別のところにPS/2ポートを引き出すしかないわけで、なんとかできないものかとチャレンジしてみた。なお、キーボードはJusty製のUSB接続のものを使用するため、マウス用のポートだけの設置となっている。 今回利用したのは、ATフォームファクタのマザーボードを使用する時に、PS/2ポートを拡張スロットに取り付けるために使用する部品である。 |
マザーボード側は8pinのヘッダとなっており、ATマザーであれば刺すだけで使えるはずである。しかし当然のことながら、本機はNLXマザーなのでボードにPS/2コネクタが取り付け済みである。 マザーボードに実装されているコネクタを見てみると、コネクタのピンパターンと8pinヘッダとは配線が同じだったので、コネクタを取り外してヘッダピンを取り付ければ、この部品がそのまま流用できそうである。ただし、コネクタを取り外すには大容量の半田こてを使わないと、ベタアース部分が外れにくいと思われる。 そこで、今回はマザーボードに直接ケーブルを半田づけして引き出すことにした。なるべく配線は短くした方が安定動作するはずだが、それほどシビアになる必要はないだろう。取り付ける位置は、PCIスロットのさらに上の1段がボードを取り付けられないために空いているので、そこを利用することにする。でも、このマシンはすでにIDEコネクタを取り付けているので、それと共存させることとした。 |
取り付け用の金具は、やはりATマザー用のシリアル・パラレルポート取り出し用部品を利用している。多少サイズが合わないため不格好だが、まぁなんとか見れるようにはなっているかと。 このマウス用PS/2ポートだが、付属の標準キーボードとのセットで使用するとカーソルの動きがおかしくなる。このマシンでは先に書いたとおり別の市販キーボード(PC98-NX対応と謳っているもの)と組み合わせているのだが、それなら問題はないようなので、問題が発生した場合はキーボードを替えて確かめてみるのも手かもしれない。 |