1 概説 最近のサブノートパソコンには2GB以上のHDDが最初から内蔵されていますが、私がThinkPad535を購入した当時は、まだまだ2.5インチ12.7mm厚のHDDなんて高くて、1GB近辺のHDDが内蔵されていたものでした。事実、EF8モデルは810MBという容量で、まあ実際に使う分にはそれほど足りなくなることはなく、しかし余裕があるというほどでもありませんでした。 でも、パソ通のログやホームページの作成データなどをため込んでいくとどんどん空き容量を圧迫していき、システムから警告を受けるほどになってしまいました。これではシステムが不安定になってしまいろくなことになりません。ということで、ちょっとずつ安くなってきていた2.1GBに換装したのでした。 ※注意1 載せ換えが可能なのは6.4GBまで(*1)のようです。ThinkPad380/385は5GBまで?みたいですが。でも、ThinkPad230でも4GBまで交換可能っていうのはすごいっすねぇ… (*1)6.4GBまでは大丈夫(実績有り)のようですが、限界はどこかわかっていません。8.4GBは不可の可能性が高いです。追加情報参照のこと。 ThinkPad535(無印)の場合、8.1GB搭載時でも動作不可との情報があります。これも追加情報に。 ※注意2 HDDを交換した場合に、ハイバネーションが使用できなくなる場合が多々あるようです。ハイバネーションを使用する方は気を付けてください。 |
2 HDDの購入 ThinkPad535に搭載可能なHDDの規格は、E-IDEインターフェースのもので、2.5インチ12.5mm or 12.7mm厚(height)のものです。※9.5mm厚も搭載可能です。 現在どの程度この規格に合ったHDDが流通しているかは正確に把握していませんが、たぶんIBM、東芝、カンタム、日立などのメーカーのものが入手できるかと思います。AT互換機関係のショップ、あるいはパーツショップなどで売っているかもしれませんし、どこにも見あたらなければ、インターネット上で通信販売により購入することも可能です。実際、私はIBMのHDDを通信販売で購入し搭載しました。 さて、どのメーカーのHDDを購入するかという大きな問題があるのですが、初期モデルではIBMのモノを購入するのが正解のようです。私が使っている東芝のHDDでは動作しないという例がだいぶあったようです。なぜ私のところで動作しているかは不明です。だって、他に動作している例も聞かなかったし…(^^;)。 まぁ、私が載せ換えたときと今では、すでにHDDも世代交代しているので、単純には適用できませんが、少なくとも初期モデルで載せ換える場合は注意が必要ではないかと思います。 |
3 準備 作業を行う前にやっておくべきことがあります。それは、ハイバネーションを使っている方はハイバネーションを使用しないように変更して再起動することです。ハイバネを使っていない方はいいんですが、使っている場合は換装後に矛盾が生じますのでシステムに悪影響を与えます。バックアップをとる時にも無駄ですので、とりあえず使用しないように変更しましょう。 続いてHDDのバックアップを行います。 現在の内容をそのまま移行するのか、それとも完全に再インストールするかなどいくつかの方法が考えられますが、最低限ユーザーデータなどは完全にバックアップをとっておhきましょう。ブックマークやお気に入りも忘れずに…。DOSのコマンドラインが使える方で、全体のバックアップをとる方法を選ばれる方には、「VFATBAK」というシェアウェア(\4,000)のバックアップソフトをお勧めします。このソフトを使えば、完全な書き戻しができますので、再設定などの面倒はいりません。入手先はこちらです。 また、HDD換装後ちゃんとインストール可能な環境も整えておきましょう。 FD1枚を用意して、Windows95/98のコントロールパネル→アプリケーションの追加と削除→起動ディスク→ディスクの作成で起動ディスクを作成します。この中にはフォーマッタなどが入っていますので、換装後のHDDはこれでフォーマットします。さらにPCカードドライバとCD-ROMドライバを入れて、CD-ROMなどを読めるようにしておくことも必要です。もし、容量が不足してカードドライバなどが入りきらない場合はいらないコマンドを削除してください。 もしも、これを機会にOSR2.1以降をインストールするつもりがあるならば、OSR2.1以降のディスクに入っているFORMAT.COM、FORMAT.EXE、FDISK.EXE、SYS.COMをFDに移しておくようにしましょう。 |
4 HDD取り外し 最初に行うことは、アームレスト部を取り外すことです。マニュアルを見ると、増設メモリの搭載方法のところに書いてありますので、よく読んでください。 実際には、下図のとおり2カ所のねじを外した後、つめで止まっているアームレストを外すだけです。 |
アームレストを外すと、手前側に小さめのねじが一つフレームについていると思いますので、それを外します。その後、空いている隙間にマイナスドライバーなどを差し込んで、外側に押し出すようにすると、HDDが載っているブロックが外れます。 |
5 交換 それでは積み替えです。HDDユニット両側のねじ合わせて4本を外します。そして、新しいHDDと入れ替えてねじ止めしましょう。端に近いねじ穴が現在の規格にあったもので、真ん中よりのねじ穴が旧規格のものです。搭載するHDDに合わせて使い分けましょう。 上が旧規格ねじ穴(Toshiba MK2103MAV)、下が新規格ねじ穴(IBM DADA-26480) 今までと違うねじ穴を使う場合など、多少穴がずれてねじが締めにくいことがあります。フレームにうまく密着するように締めてください。 |
あとは、再び組み込んだ後、もとどおり組み立て直します。組み込むときに、コネクタとHDDのピンがずれないように気をつけてください。 そして電源を入れ、セットアップ画面でチェックをいれます。この時エラーナンバーが表示されても無視してください。 まずは、configからinitializeを実行してハードウェアを初期設定に戻してください。終了後は再起動して、再びセットアップ画面へ。ハードウェアのチェックをすべて行ってOKが出ることを確認してください。 ここでまたまた再起動を行い、エラーメッセージが消えて特に問題がないようであれば、FDから起動してHDDに対してFDISKを実行します。OSR2.1以降であればFAT32を導入するか聞いてきますので、[Y/N]で選択します。2GB以上を1パーティションで確保したいなら、FAT32を導入しなければなりません。 FDISKで基本区画や論理ドライブを作成したならば、続いて該当するドライブに対してFORMATを実行します。FORMAT終了後、SYSコマンドを実行して、システムを転送すればとりあえずの作業は完了です。 |
6 確認 HDDのフォーマットが完了したら、HDDから起動できるようにして(FDを抜いて)再起動します。Starting Windows95...の画面表示の後、コマンドラインが立ち上がるかと思います。ここまで来れば作業は完了です。もし、起動できないようであれば、「FDISK /mbr」というコマンドを実行してみましょう。もしかしたら起動するかもしれません。 ハイバネーションを使用する方はハイバネーションを設定してみてください。たまにハイバネーションが使用できない状況になることがあるようです(解決策は…他のHDDに変えるしかない)。 あとは、みなさんの好きなように環境を再構築してください。最初からインストールする場合は、CD-ROMの内容をXCOPYコマンドでHDDに全部コピーしてから行うとトラブルが少なくていいと思います。 |
※追加情報 ・メモリをイレギュラーな方法により40MBより多く増設している場合、ハイバネーションが使えないことがあります。これは、HDDの増設とは直接関係ないのですが、ハイバネーションからの復帰時には、BIOSは40MBまでしか認識できないために、エラーを発生するからです。 ・1998年12月現在、ThinkPad535-EF8にIBM DADA-26480(12.7mm 6.4GB)を載せていますが、正常に稼働中です。BIOS等でも特にはねられませんし、システムチェックでもエラーは出ません。また、ハイバネーションも使用可能(メモリ40MB時)です。 ・ThinkPad535-MF9にIBM DADA-26480を載せた場合に動作しないという情報が入りました。現在状況の確認中ですので、詳細が判明次第追加情報を掲載します。 なお、本件については追試を行う予定です。(1999.03.04) ・ThinkPad760に日立製6.4GB(12.5mm・型番不明)HDDを載せた場合に認識しないという情報が入りました。可能であれば追加情報を掲載します。(1999.03.04) ・ThinkPad535-MF9が入手できなかったため、追試は行えませんでした。かわりにThinkPad535Eを持ってきたため、接続試験を行ったところ問題なく動きました。(1999.03.09) ・本文内に、換装後の手順詳細を追加(1999.03.09) ・ThinkPad535(各機種)にIBM DADA-26480を搭載した場合の動作不良については、HDDのピンが1列ずれて刺さって起こっているもののようです。報告があった事例についてはすべてこの問題でした(解決済)。(1999.04.07) ・アイ・オー・データ社が公開した8.4GB超過IDE HDD使用判定プログラムを ThinkPad535-EF8(BIOSバージョン 98/06/18 - I4ET34WW)において使用したところ、8.4GB超は不可の判定がでました。(1999.04.17) ・同じプログラムをThinkPad535Eで動作させたところ、やっぱり不可の判定が。BIOSバージョンが古いので確実ではないが、8.4GB超は難しいだろう。(1999.04.19) ・上記のプログラムはアイ・オー・データ社のページからダウンロードしてください。(リンク許可済)(1999.04.20) ・ThinkPad535-EF8 + DADA-26480上で、IBMが公開しているHDD用電源コントロールプログラム「Power Booster」の動作を確認。大きな不具合はない模様。(1999.04.23) ・メルコ社が公開したDOS/V機専用8.4GB超IDE HDD対応確認ユーティリティ Ver 0.95b(試用版)[な、長い…]をThinkPad535-EF8(BIOSバージョン 98/06/18 - I4ET34WW)において試したところ、8.4GB超はNGとなった。 このプログラムは、要するにそのマシンが拡張INT13の機能をどれだけサポートしているかをチェックしているもので、前に試したアイ・オー・データ社のものとやってることは同じである。 ただ、表示内容はメルコのプログラムの方がとても細かいので、両方使ってみると参考になるかも。ThinkPad535-EF8ではすべて判定不可能なので無意味だが。(1999.06.13) ・ThinkPad535-MF9にIBM DCXA-208100(8.1GB)を搭載した場合、HDDを認識しないという情報が寄せられている。8.1GBでは不可という情報が複数あるというのはやはり動作しないということなんだろうか?ThinkPad535E以降であれば、8.1GBでも動作する可能性は高いようだが…(1999.10.20) ・ThinkPad535-MF9にIBM DBCA-206480(6.4GB)を搭載して無事に動作したという情報をいただきました。まつおさん、ありがとうございました。(2000.02.17) ・ThinkPad535-EF8にIBM DMCA-21440(1.4GB)を搭載して無事に動作しました。(2000.11.02) ・ThinkPad535-MF9にIBM DJSA-205(5GB)を搭載して無事に動作したという情報をいただきました。飯塚さん、松尾さん、ひろしさん、ありがとうございました。(2000.12.04,2001.01.10) ・ThinkPad535-KF8にHITACHI DK233AA-60(6GB)[メルコ DVN-6GXを使用]を搭載して無事に動作したという情報をいただきました。木村さん、ありがとうございました。(2000.12.09) ・ThinkPad535-MF9にIBM IC25N010ATDT04(10GB)+Disk Manager(OnTrack社)を搭載して無事に動作したという情報をいただきました。Okazakiさん、ありがとうございました。 なお、Disk Managerの使用はリスクを伴いますので、導入に当たっては十分注意してください。入手先はこのページ。(2002.02.13) ・ThinkPad535-MF9にFUJITSU MHF2043AT(4.3GB)を搭載して無事に動作したという情報をいただきました。kazikaさん、ありがとうございました。(2002.11.12) ・ThinkPad535-EF8にIBM DSOA-21080(1.08GB)を搭載して無事に動作しました。(2006.11.19) ・ThinkPad535-EF8に東芝 MK2018GAS(20GB)を搭載して動作しませんでした。(2006.11.19) ・ThinkPad535-EF8に日立 IC25N020ATCS04(20GB)を搭載して動作しませんでした。Feature Tool で容量を8GBにクリップしてもダメでした。6GBクリップで動作するかは未確認です。(2006.11.19) ・ThinkPad535-EF8にIBM DBCA-206480(6.49GB)を搭載して無事に動作しました。(2006.11.19) ・ThinkPad535-EF8に東芝 MK6014MAP(6GB)を搭載して無事に動作しました。(2006.11.20) |