SHARP製のWindowsCE搭載Handheldマシン、HC-AJ1の内部の様子である。実は、分解したときに各チップの型番等をメモっておいたのだが、それを無くしてしまったためにコメントがつけられなくなってしまった。記憶にある限り書いておくが、ほとんど写真だけ掲載するような形になってしまった点についてはお詫びしたい。 |
HC-AJ1は800×600のTFT液晶を搭載したA5ファイルサイズのHandheld PCである。搭載OSはWindowsCE2.11 H/PC Pro 3.0。筐体の大きさを利用し、フルサイズのキーボードやPC Cardスロット(TypeII×1)とCFスロット(TypeII×1)を搭載するなど、使い勝手や拡張性を優先したマシンとなっている。 |
早速、アームレスト部から外してみる。左側にCFスロット、ポインティングデバイスの左側のボードがROMボード、右側がRAMボード、その右側の丸いのがスピーカである。 |
取り外したROMボードとRAMボードである。RAMは標準で16MBを搭載しており、オプションで32MBボードが用意されている。 |
ROM/RAMボード及びキーボードを取り外したところ。PC Cardスロットが見えている。 |
筐体から基板を外した様子。電源関係や細かいチップがこちら側の面に搭載されている。真ん中より少し下に位置しているSQFPパッケージのチップは東芝のTC35143AFで、オーディオコーデックを搭載したアナログフロントエンドである。ソフトウェアモデムの機能を有しているため、モデム機能は本チップが担っていると思われる。なお、V90通信時のCPU占有率は約35%(カタログ値)。 |
ポインティングデバイス周辺の拡大図。右上の2個のチップはメモリか?右下の白いものはシステムクロック用(8MHz)と思われる発振子。 |
基板の反対側(底面側)。CPUなどはこちら側に実装されている。短時間バックアップ用にはスーパーキャパシタ(容量不詳)が使われている。スーパーキャパシタの左上のチップが充電制御用で、リニアテクノロジーのLT1511を使用。 |
CPU周辺の拡大図。 使用されているCPUは東芝製TMPR3922AU(TX3922)である(右下の黒いLQFP)。動作周波数は129MHz。コアはMIPSのR3000Aであるが、PDA専用に様々な機能を組み込まれており、メモリコントローラ・シリアルコントローラ・FIRコントローラを内蔵している。動作電圧は2.7V(3.3V I/O)。 さらに、その横に実装されているTC6358TBはTMPR3922と共に使用されるコンパニオンチップ(PCでいうチップセット)であり、LCD・PCMCIA・SmartMedia・USB・I/Oバスの各コントローラを内蔵している。この2つと前述のTC35143AFとで一連のWindowsCE用チップセットを構成している。このHC-AJ1は、東芝が提供しているWindowsCE用リファレンスシステムにかなり忠実に作られているように見えるので、東芝製のチップが多いはずである。 |