2008.10.11 ゴールデンウィークに行った「PCIビデオカードベンチマーク大会♪第4弾?」については、再追試まで行うほど検証して概ね当時の環境としては正しい結果を示していたことを確認した。 しかし、その後にリリースされた新しいドライバで動かしてみると数値がかなり変動することが判明し、また新しい実験用ハードウェア環境を整えたことから、改めてベンチマークデータを取って今後の評価基準となる資料を作成することにした。 今回のテスト環境は以下のとおりである。 MOTHERBOARD:ASUS P5LD2 SE CPU:intel Celeron D 340J(2.93GHz) MEMORY:DDR2 SDRAM 1.5GB(Non ECC/FSB=533MHz) Chipset:intel 945P+ICH7 HDD:Seagate Barracuda ES ST380815AS(OEM) Optical Drive:HL-DT-ST GSA-H60L(OEM) OS:Windows Vista Home Premium SP1(32bit) DirectX:10 & 9.0(2008年8月版) ベンチマークソフトは以前どおり ・HDBENCH Ver3.40 Beta6 ・3DMark05 ・3DMark06 ・ゆめりあベンチ ・FINAL FANTASY XI for Windowsオフィシャルベンチマークソフト3 ・タイムリープぶーとべんち(Web配布版) ・Windowsエクスペリエンスインデックス ・バッファロー ストリームテスト for 地デジ そして、対象となるビデオカードは以下の7枚である。RADEON X1550搭載ビデオカードはすでに手元にないためエントリーしていない。 ◎RADEON系 ・RD925-P256C(玄人志向、RADEON9250) ・RH2400PRO-LP256H(玄人志向、RADEON HD 2400PRO) ◎GeForce系 ・GFX5700LE-P256C(玄人志向、GeForce FX 5700LE) ・GF6200A-LP128H(玄人志向、GeForce6200A) ・PCI8400GSL(Albatron、GeForce8400GS) ・GF8500GT-P256H(玄人志向、GeForce8500GT) ・PCI8600GTL(Albatron、GeForce8600GT) ドライバはデータ採取時に最新版であったものとし、RADEON系はCatalyst 8.9、GeForce系はGeForce Release 178.13を使用した。ただし、例によって古い製品であるRD925-P256CはVista標準ドライバ、GFX5700LE-P256CはVista標準+ForceWare96.85を使用している。 なお、すでにRADEON・GeForceともにGPUは新シリーズに移行していることから、今回取り扱う旧シリーズ品についてはドライバは安定して動作する時期に入っているものと考えている。 |
まずは、Windowsエクスペリエンスインデックスから。 PCI8400GSLのグラフィックス値が低いのが気になるところ。逆に、PCI8600GTLは上限に達してしまっている。ゲーム用グラフィックスの値は妥当なところか? なお、RD925-P256CのみAeroが不可である。 続いて、HDBENCH・ゆめりあベンチ・タイムリープぶーとべんち・FINAL FANTASY XI for Windowsオフィシャルベンチマークソフト3・3DMark05/06の結果をどうぞ。 DirectX9以降対応GPUの中でPCI8600GTLが最も低いというのが…。逆に、GF6200A-LP128Hが高いというのは以前と同様の傾向のまま。RD925-P256Cについては、前回とは逆にものすごく低い値にとどまっている。これもまた極端な値だと思うのだが… 概ねの傾向は前回と変わりなし。PCI8400GSL〜PCI8600GTLが少しずつ伸びているのがそれっぽい数字かと。 今回は、デフォルト設定のままウインドウ表示かフルスクリーン表示かのみ条件変更して計測した。GeForce系はすべて表示モードにかかわらず同じ結果だったが、RADEON系ではフルスクリーン表示の方がスコアが良くなる傾向が出ている。 RD925-P256Cがトップなのは以前と同じ。 |
例によって、RD925-P256CはDirectX8.1までしか対応していないためスコアは計測できていない。GPUのDirectX9あるいは10への対応状況で大きくスコアが変動するのがわかる。 最後に、バッファロー ストリームテスト for 地デジを。評価基準のために高解像度から低解像度まで3種類全部を掲載する。 高解像度データでは、RH2400PRO-LP256Hのみ再生フレーム数が700台となっており、かなり差がついている。RD925-P256Cにも負けているところが情けないというか何というか。 一方、それ以外については誤差の範囲内で横並びなのでここがほぼ限界のように見えるが、CPU使用率がほぼ100%に張り付いていることから、ボトルネックはCPU周りだと考えられる。従って、CPUを高速化すれば再生フレーム数も上がるはずであり、各ビデオカードの真の実力はここでは判断できないと思われる。 中解像度でもRH2400PRO-LP256Hのみ再生フレーム数が低い。GF6200A-LP128Hは少しコマ落ちしていることがわかる状態。ただ、CPUを高速化すれば再生フレームは上がると思われる。あと、もう一つの要素が考えられるのだがそれは次の項目で。 低解像度では、すべてのビデオカードでほぼフルフレームを表示しているが、RH2400PRO-LP256HとGF6200A-LP128HがCPU使用率が他と比べてかなり高くなっている。 実のところ、GF6200A-LP128Hについては画面表示を見ているとカクカクと表示されていてスムーズにスクロールしていない。これは、CPUパワーが低いということと、あと搭載しているメモリが128MBしかないということも影響していそうである。 さて、これまでの集大成とでも呼ぶべきベンチマークデータを示してきたわけだが、現状では至極まっとうな結果が出たのではないだろうか? とりあえず、能力だけで評価するならPCI8600GTLが一番である。ただし、GPUクーラーが大きくて小型PCには搭載しにくいというのが最大の弱点である。あと、熱もそれなりに出す(そうでなきゃ大きなクーラーはいらないよね)ので、エアフローには要注意。 ロープロファイルでなくて良いなら、GF8500GT-P256Hが1スロットに収まるので良いかと。ただ、発熱の割にGPUクーラーが小さめのものしかついていないので、その点は不安(シャットダウン直後に触るとかなり熱い)。PCI8600GTLとの差はベンチマーク上ではわずかに認められるものの、実使用時にどこまで違いがわかるかというと…ねぇ? RADEON系では、依然としてRH2400PRO-LP256H以降のPCIビデオカードが登場していないためそろそろ新製品に登場してもらいたいところ。RADEON HD 4000系なら性能・発熱・サイズのバランスがとれたPCIビデオカードが作れそうなんだけどなぁ。 ちなみに、ベンチマークスコアを比較するとRH2400PRO-LP256HとPCI8400GSLがほぼ同等のように見えるが、ベンチマークソフトの挙動を見ていると明らかにRH2400PRO-LP256Hのほうが処理にもたつきが感じられる(例えばWindowsエクスペリエンスインデックスの処理時間が明らかに長いとか)ので、実使用時の能力で見ればPCI8400GSLの方が一段上である。 そのPCI8400GSLだが、PCI8600GTLに比べてはるかに小さいGPUクーラーを搭載している。この点では非常に使い勝手が良いのだが、空冷ファンの径が小さめのため、ちょっと動作音が高周波寄りになっているように感じた。ケースを閉めれば気にならなくなる可能性もあるのだが、気になる人は気になるかも。 個人的には、PCI8600GTLのGPUクーラーを薄型のものに取り替えて1スロットに収まるように改造したものを作ってみたいという欲求に駆られてしまった。たぶん、うん、これ最強だよ。 |