2011.05.02 昨年は行われなかったこの企画。まさか復活の運びになろうとは…(笑) ということで、新作PCIビデオカードのベンチマークデータである。今回は、テスト環境を少し変えてみた。 MOTHERBOARD:ASUS P5LD2 SE CPU:intel Celeron D 340J(2.93GHz) MEMORY:DDR2 SDRAM 3.5GB(Non ECC/FSB=533MHz) Chipset:intel 945P+ICH7 SSD:アイオーデータ SSDN-ST64B(Toshiba THNS064GG2BBAA) Optical Drive:HL-DT-ST GSA-H60L(OEM) OS:Windows7 Home Premium SP1(32bit) DirectX:11&9.0 Browser:Internet Explorer 9 RC版 見てのとおり、最近のハードウェア傾向を取り入れてSSDを導入。とは言っても、最新の高速SSDではないところがなんとも。メモリも微妙に増量。 OSは、今回のベンチマークのため"だけ"にWindows7を購入してみた。やっぱり最新環境でないとねっ!そして、IE9のRC版をインストール。計測時期が今なら正式リリース版をインストールするところだが、まだRC版だったのでね。 ベンチマークソフトも一部入れ替えてみた。大きく変わった点は、FINAL FANTASYベンチマークを差し替えたことと、3DMark05を外したことである。継続して使っているものもあるが、OS等を変更しているので以前のデータとは直接比較できない点には注意してもらいたい。ただ、傾向等は参考になるだろう。それにしても、ゆめりあベンチがまだダウンロードできるってのがすごいなぁ。 ・Windowsエクスペリエンスインデックス ・HDBENCHVer3.40 Beta6 ・ゆめりあベンチ ・タイムリープぶーとべんち(Web配布版) ・FINAL FANTASY XIV for Windowsオフィシャルベンチマークソフト ・3DMark06 ・バッファロー ストリームテスト for 地デジ ・WebVizBench ・Kraken さて、先ほど述べたようにOSをWindows7に変更しIE9ベータ版をインストールしたのだが、これはWebブラウザのGPUアクセラレーション効果等を確認するためなのだ。ということで、HTML5ベンチマークであるWebVizBenchとJavaScriptベンチマークであるKrakenを採用してみた。果たして、PCIビデオカードでも効果はあるのか?というのは興味深いテーマかと思う。 さて、今回登場するビデオカードは以下のとおり。型番(発売元、搭載GPU)の順。 1 GF6200A-LP128H(玄人志向、GeForce6200A) 2 SP95GTG1024D2L-HP(SPARKLE、GeForce9500GT) 3 H435H512PP(HIS、RADEON HD 4350) 4 H545H512P(HIS、RADEON HD 5450) 使用するGPUドライバのバージョンは、計測時点での最新版であるCatalyst11.2及びNVIDIA Graphics Driver 266.58としている。そして、OSを最新版にしたことから、最新ドライバでサポートされない世代のGPUは除外した。なお、GeForce6200は、一応Windows7でのサポートも継続されており、また製品購入も可能であることから、旧世代に近いGPUに見えるが条件を満たしているのでエントリーさせている。 そして、注目は新製品のH545H512Pがどこまで頑張ることができるかである。PCI Express接続のビデオカードとしては評価の高かったRADEON HD 5xxx世代だけに、かなり期待できるところである。 |
それでは、いつものとおりWindowsエクスペリエンスインデックスから。今回はWindows7版なので、前回までとは直接比較できない(最高点が変更になっている)点には注意が必要である。 期待に違わぬ数値を出しているのが、H545H512Pである。とは言っても、H435H512PPとの差はそんなに大きくないように見える。 一方、SP95GTG1024D2L-HPは前回と較べてグラフィックスの値はかなり伸びているが(前回の数値が不自然なわけだが)、ゲーム用グラフィックスの値がグラフィックスの値とほぼ同じとなっていて数値が伸びていない。このあたり、対応するDirectXのバージョンなど、GPUの世代が影響している可能性がある。 |
次にHDBENCHの結果をどうぞ。 とは言っても、GF6200A-LP128HのTextの値がすごすぎて比較にならないので、これだけ除いたグラフを見てみたい。 なお、Textの値で安定的に約20000の値を出すのはGF6200A-LP128Hのみ(5回中4回)で、あとはSP95GTG1024D2L-HPとH435H512PPがそれぞれ5回中1回出した(それぞれ29733、22149で特異値として結果からは除外)のみである。 ということで、3枚だけ抜き出してみた。 ここでも、H545H512Pがスコアの積み上げでは勝っている。しかし、DirectDrawの値では倍以上の値となっており、このあたりに実使用時の速さの片鱗を見せている。 H545H512PとH435H512PPの比較でいえば、全体的にスコアが改善されていることがわかる。特にDirectDrawの値は、GeForce並みとまではいかないまでもそこそこの値になっている。 続いてゆめりあベンチ。 例によって、GeForceが優位な結果。H545H512PとH435H512PPの差はちゃんと出ているので、明らかにSP95GTG1024D2L-HPが勝っていると評価してよいだろう。 次はタイムリープぶーとベンチの結果。 ここではH545H512Pがトップとなった。とは言っても、SP95GTG1024D2L-HPとの差はわずかに1fpsなわけだが。 前回の結果ではH435H512PPとSP95GTG1024D2L-HPが同じくらいだったのだが、今回は明らかにSP95GTG1024D2L-HPの勝ちである。OSとドライバを変えるとこんなにも変わってしまうんだろうか…。それとも、前回がHDDか何かのボトルネックがあって頭打ちだったのか? 続いては、新登場のFINAL FANTASY XIV Benchmark。 傾向としてはゆめりあベンチと同じか?やはりSP95GTG1024D2L-HPの方が、頭一つ抜きんでている。 |
そして、3DMark06。 ここでは、H545H512PとH435H512PPが共にSP95GTG1024D2L-HPを上回っていて、ここまでの結果とは様相が異なっている。しかし、GF6200A-LP128H〜H435H512PPが前回の結果とほぼ同様の傾向であることを考えると、計測ミスとは考えにくい。やはり、ベンチマークの内容とスコアの重み付けによっては順位が入れ替わることがあるという程度の評価とすべきだろう。 そして、毎回、意味があるんだかよくわからないバッファロー ストリームテスト for 地デジ。例によって最高画質から低画質までを掲載する。(超低画質LLPは略) ※最高画質(DP) ※高画質(HP) ※低画質(LP) 例によって、一番再生率が高いのがGF6200A-LP128Hってのが…。単純に描画するだけならいまだに最強。2番目はSP95GTG1024D2L-HPかな?RADEONの2枚に較べると、わずかながら描画率が高いかと。そのRADEON系の中では、やはりわずかながらH435H512PPの方が上か。このあたりは、メモリ転送速度というよりはメモリの基準クロックの差が出ているのかもしれない。 さてここからは、Webブラウザのアクセラレーションについて見てみたい。 この数値はfpsで表示しているため、数字が大きいほどHTML5が高速で表示できるということになるのだが、RADEON系が高くSP95GTG1024D2L-HPが最悪となっている。 これだけの差があるということは、GPUアクセラレーションがある程度機能していると考えられるだろう。ただ、RADEON系が高くてGeForce系が低いのは、アーキテクチャの問題なのかドライバの問題なのかなどは判断しにくいところ。 こちらはJavascriptのベンチマークだが、処理所要時間を示しているため数字が小さいほど高速で処理されたことになる。結果を見ると、WebVizBenchとほぼ同じ傾向を示している。ただし、最速なのがH435H512PPってのがなぜなのか不明。 さて、ここまでベンチマークデータを見てきたわけだが、SP95GTG1024D2L-HPと新登場のH545H512Pとでは、どちらを選んでも問題なさそうに見える。 ただ、HTML5やJavascriptの表示能力にわずかながらも差があることから、今後Internet Explorer 9等を使う予定があるのであればH545H512Pの方が有利とも考えられるが、このあたりはドライバによってどんどん変わってしまう可能性はあるので、今後もずっとこの状況かどうかはわからない。 実使用の感覚を含めて判断すると、相変わらずRADEON系よりはGeForce系の方が表示の引っかかり等は少ないように感じるので、SP95GTG1024D2L-HPの方がいいかも…とも思う(このあたりは一貫してGeForce側有利だと思う)。 別の視点から見ると、SP95GTG1024D2L-HPは1スロット強制空冷タイプ、H545H512Pは1スロット自然空冷(ファンレス)タイプということで、メンテナンスの点からいえばファンレスのH545H512Pが有利だろう。性能面で均衡することから、こういった観点から選択するというのもいいかもしれない。 2011.05.29 ※追記 本当なら追試にしようと思ったのだが、つまらない結果だったのでここへ追記ということで。 さて、今回導入したInternet Explorer9関係のベンチマークだが、正式リリース前のRC版ということでそのデータの信頼性はいまいちかと判断した。 そこで、あらためてWindows7を最新版にアップデートし、IE9も正式リリース版にインストールをやり直し、ベンチマークデータを採取してみた。ドライバもIE9リリース後の最新版NVIDIA Drivers 270.61(WHQL)とCatalyst 11.4に更新した。 この環境でいくつかのビデオカードでベンチマークを動かしてみたのだが、調査したすべての環境・ベンチマークにおいてRC版と同様の傾向しか示さなかったのだ。もちろん、測定数値には差があったのだが、小数点以下程度で明らかに誤差と判断できるものばかりであった。 ということで、前回の結果の正しさが検証できたわけだが、追加情報を一つ。GPUによるハードウェアアクセラレーションの効果を検証するために、IE9の設定をソフトウェアレンダリングに設定してみたところ、ビデオカードの種類にかかわらずWebVizBenchで4fps程度とほぼ一定の値を示した。従って、PCIビデオカードであってもGPUアクセラレーションを使用することでレンダリングが速くなる可能性は高いということで、参考までに。 |