2012.01.09 毎回、これが最後と思って書いているこの企画なのだが、なかなか終わることがなく。そして、新作ビデオカードが出るとベンチマーク依頼が来るってのはどうなってるんだ?(笑) んなわけで、新作PCIビデオカードのベンチマークデータである。昨年後半に登場した2枚の新顔を加えて、現時点での完全版を作っておくこととする。 今回のテスト環境は、前回と同じWindows7環境である。ただし、いろいろとSSDを入れ替えた関係でOSの再インストールからやり直している。 MOTHERBOARD:ASUS P5LD2 SE CPU:intel Celeron D 340J(2.93GHz) MEMORY:DDR2 SDRAM 3.5GB(Non ECC/FSB=533MHz) Chipset:intel 945P+ICH7 SSD:アイオーデータ SSDN-ST64B(Toshiba THNS064GG2BBAA) Optical Drive:HL-DT-ST GSA-H60L(OEM) OS:Windows7 Home Premium SP1(32bit) DirectX:11&9.0 Browser:Internet Explorer 9.0.4版 前回と変更になったのは、Internet Explorer 9がRC版から正式版になったことくらいか。 ベンチマークソフトは基本的に前回と同じだが、「バッファロー ストリームテスト for 地デジ」についてはもうあまり意味はないかと思うので外してみた。もし次回があったら、次はHDBENCHを外す予定。 ・Windowsエクスペリエンスインデックス ・HDBENCHVer3.40 Beta6 ・ゆめりあベンチ ・タイムリープぶーとべんち ・FINAL FANTASY XIV for Windowsオフィシャルベンチマークソフト ・3DMark06 ・WebVizBench ・Kraken 今回登場するビデオカードは以下のとおり。型番(発売元、搭載GPU)の順。 1 GF6200A-LP128H(玄人志向、GeForce6200A) 2 SP95GTG1024D2L-HP(SPARKLE、GeForce9500GT) 3 ZT-50610-10L(ZOTAC、GeForce GT520) 4 ZT-40605-10L(ZOTAC、GeForce GT430) 5 N430GT TwinFrozr Mini 1G(MSI、GeForce GT430)+PCIEX1-PCI 6 H435H512PP(HIS、RADEON HD 4350) 7 H545H512P(HIS、RADEON HD 5450) ※参考 8 GV-NX84S512HP(GIGABYTE、GeForce8400GS) PCI Express接続 N430GT TwinFrozr Mini 1GはPCI Express接続のビデオカードだが、玄人志向の変換基板「PCIEX1-PCI」を使用してPCIスロットに刺している。前回のおまけ版で初登場させたが、動作上、特に支障は見受けられないので、正式版でも採用することとした。 GV-NX84S512HPは、PCI Express接続のビデオカードの数値として参考とするために入れてある。 今回使用するGPUドライバのバージョンは、計測時点での最新版であるCatalyst11.12及びNVIDIA Graphics Driver 285.62である。珍しくGF6200A-LP128Hでも正常にインストール可能であった。 |
それでは、いつものとおりWindowsエクスペリエンスインデックスから。 あらためて見てみると、GeForce系はグラフィックスの値とゲーム用グラフィックスの値に大きな差がないのに対し、RADEON系はゲーム用グラフィックスの値の方がかなり高くなっているのが特徴である。そして、PCI Express接続のGV-NX84S512HPよりも主要PCIビデオカードの方が数値が上となっており、PCIビデオカードであってもある程度実用的にWindowsを使えそうである。 |
次にHDBENCHの結果。 例によって、GF6200A-LP128HのTextとElipseの値が大きすぎるなぁ。ただ、全体の傾向を見るために今回はすべてのものを載せている。 しかし、この値もGF6200A-LP128H以外は不安定な部分も多いため、本当に参考程度にしかならない。特に変動が大きいのはRectangleとTextなのだが、今回は頻出値で統一されている。まぁ、現在のWindowsでどこまでこのベンチマークに意味があるかというのは疑問なので、次回からは除外するつもり。 続いてゆめりあベンチ。 例によってGeForceが優位な結果ではあるのだが、ZT-50610-10LとZT-40605-10Lの差がかなり出ている。このあたりは、GPUのユニット数等の差が顕著に出たためと考えられる。逆に、H435H512PPとH545H512Pの差があまり出ないという前回とは異なる結果となっている。ドライバのバージョンによるものとは思うのだが、H435H512PPの数値が向上したためにこのような結果となった。 次はタイムリープぶーとベンチの結果。 H545H512PとZT-40605-10Lが同スコアに。そして、ZT-40605-10LとZT-50610-10Lの差はあまりなく。N430GT TwinFrozr Mini 1GとZT-40605-10Lは、メモリ関係のスペックが異なるだけなのだが、それでも差が出るというのはメモリの転送能力が重要ということか。 そして、FINAL FANTASY XIV Benchmark。 今回は、高解像度も走らせてみてすべてのスコアを載せてみた。GF6200A-LP128Hはどうしようもないが、それ以外のGeForce勢はきれいに並んでいる。特に、高解像度の値は低解像度の値よりも差が出ているが、ZT-40605-10LとZT-50610-10Lの差はGPU能力が、ZT-40605-10LとN430GT TwinFrozr Mini 1Gの差はメモリ能力によるものと思われ、総合的な力の差を反映していると考えられる。 一方、低解像度の値は頭打ち傾向に見える。このあたりが、PCIインターフェースの限界なのかも。 |
そして、3DMark06。 ここでは、H545H512Pが頭一つ抜けている。GeForce勢は、FFBenchの高解像度と同様な傾向で性能差を示している。 なお参考までに記載しておくと、今回の条件で3DMark11のベンチマークが完走したのはH545H512Pだけ(スコアはP300)であった。DirectX11対応という意味では、H545H512Pが現状において唯一の選択と言えるだろう。 さて、HTML5のベンチマークであるWebVizBench。前回は動作条件を固定していなかったので、今回はフルスクリーン動作(1280×930)として計測している。このため、前回よりも数値が落ちていて直接比較できない点については注意してもらいたい。 PCI Express接続であるGV-NX84S512HPが断然高速な動作を見せており、高速インターフェースの優位性を示している。一方で、最近の世代のPCIビデオカードでは軒並み6fps前後の値を示していることから、一定のアクセラレーション機能が働いており機種ごとの差は少ないということになる。ただ、DirectX10世代以降の方が有効にアクセラレーションが機能すると思われるので、今後の採用にあたっては注意が必要だろう。 それほど大きな差があるわけではないのだが、GF6200A-LP128HとN430GT TwinFrozr Mini 1Gの遅さが目立つ。特に、N430GT TwinFrozr Mini 1Gは他のベンチマークでは高速さを示す結果しか出ていないので、最も遅くなっているのが理解に苦しむところ。 さてさて、GeForce・RADEON共にDirectX11世代のPCIビデオカードが出揃ったわけだが、現時点で購入するとしたらどれを買うべきか? まず、速度面で見ればGeForce GT430を搭載したZT-40605-10Lということになるだろう。どのベンチマークテストでもそれなりに高速な結果を示しており、他に比べれば不満な点は少ないだろう。 機能面で見た場合には、H545H512Pを推す。なにしろ、唯一、3DMark11のベンチマークが完走すカードとなっており、他のカードよりもDirectX11への対応度は高いと思われる。ベンチマークスコアについてもかなりいい線をいっているし、挙動もRADEON特有のクセを感じる場面が少ない気がする。 いずれにしても、HTML5アクセラレーション等を考慮すると、最新世代のGPUを積んだカードを購入すべきだろう。今後、Windows8の導入を検討しているようであれば尚更である。 |