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雑感

PCIビデオカードベンチマーク大会♪第10弾

2012年 夏休み記念更新


 2012.08.19
 しぶとく生き続けるこの企画。なんだかんだ言って、最後にはPCIビデオカードもまだまだ捨てたモンじゃない。まだまだ頑張れるぜっ!的な結論で落ち着いているわけだが、実際のところ本当に次世代でも生き残ることができるのか?というのは微妙なところである。
 とはいっても、現実にサーバ用途などで生き残っており、AGPビデオカードよりもはるかに入手しやすいことを考えると、次世代まで生き延びることは間違いないのだが…

 てなわけで、今回のテスト環境はこれまでのものとは違って、次世代でも実際に使われそうな環境でテストしてみることにした。このため、OSは最新の環境であるWindows 8 Release Previewとし、しかもこれまでは扱ってこなかった64bit版で試してみたいと思う。当然、64bit版を使うからにはCPUも64bit対応でなければいけないわけで、こんな環境を揃えてみた。

Hewlett-Packard製 HP ProLiant ML110 G5
CPU:intel Core2Quad Q6600(2.4GHz×4)
MEMORY:DDR2 SDRAM 8GB(Non ECC/FSB=800MHz)
Chipset:intel 3200+ICH9R
SSD:Crucial m4 CT128M4SSD2(128GB)
Optical Drive:ASUS DRW-1814BLT
OS:Windows 8 Release Preview(64bit)
DirectX:11及び9.0
Browser:Internet Explorer 10.0.8400.0版

 ベンチマークソフトは、従来使用しているものと原則同じだが、64bitネイティブなバイナリがある場合には当然64bit版を使用しているため、これまでのベンチマーク結果とは直接比較できない点については注意が必要である。

・Windowsエクスペリエンスインデックス
・タイムリープぶーとべんち
FINAL FANTASY XIV for Windowsオフィシャルベンチマークソフト
3DMark06
3DMark11
WebVizBench
Kraken

 今回登場するビデオカードは以下のとおり。型番(発売元、搭載GPU)の順。

1 GF6200A-LP128H(玄人志向、GeForce6200A)
2 GFX5700LE-P256C(玄人志向、GeForce FX 5700LE)
3 Millenium G200e(ServerEngines、チップ内蔵)
4 ZT-40605-10L(ZOTAC、GeForce GT430)
5 GV-NX84S512HP(GIGABYTE、GeForce8400GS)+PCI-E x1 to PCI変換
6 RD925-P256C(玄人志向、RADEON9250)
7 H545H512P(HIS、RADEON HD 5450)

※参考
8 H545H512P(HIS、RADEON HD 5450)(Windows 8 RP 32bit)

 今回は、64bit版の最新OSにおけるPCIビデオカードの性能を確認することでGPUのハードウェアによるアクセラレーションの必要性を確認し、今後も使用できる可能性を検証するということで、動態保存としていた古いPCIビデオカードも引っ張り出してきた。
 唯一GV-NX84S512HPのみが、PCI Express to PCIの変換基板経由での接続となっているが、これはGeForce8400GSクラスの性能を確認するためのものである。
 また、H545H512P搭載の本環境にWindows 8 Release Preview 32bit版をインストールした場合のデータを掲載している。前回の第9弾おまけ企画と併せて、データ比較用の参考にしてほしい。

 今回使用するGPUドライバのバージョンは、計測時点での最新版であるCatalyst12.6及びNVIDIA Graphics Driver 302.82である。ただし、GF6200A-LP128HについてはGeForce6200Aのサポート状況が定まっていないようでインストール不可だったので、正式にサポートされている302.80を使用した。また、最新ドライバが提供されていない旧世代GPUについては、すべてOS標準ドライバでの動作となっている。

 それでは、Windowsエクスペリエンスインデックスから。

Windowsエクスペリエンスインデックス

 まずDeveloper Preview版の時と較べると、すべてのビデオカードでベンチマークが完走しており、OS自体の完成度が向上していることが確認できる。そして、GeForce6200世代とかMilleniumG200とかでもとりあえずOSを動かすことはできそうである。
 一方で、GeForce FX 5700/6200A、MilleniumG200e、RADEON9250のすべてが同スコアになっている点については注意が必要だろう。GPUの機能に関わらず同スコアになっているということは、このスコアがOS標準ドライバ相当でアクセラレーションが効いていないためと考えられる。このあたりの世代については、Windows 8においては単なる表示機能があるに過ぎないと言えるかもしれない。

 また、H545H512PやZT-40605-10Lの結果を見る限りでは、Windows 8 DP版よりはWindows 7の結果に近い数値のように見える。Windows 8 RP版になってやはり完成度が向上しているようだ。


 次にタイムリープぶーとベンチの結果。

タイムリープぶーとベンチ

 ここでは、旧世代と新世代のビデオカードの差が明確に出ている。DirectX9以前の世代については6〜7fpsしか出ておらず、DirectX9の機能自体はあまり描画能力の向上には結びつかないようだ。逆に、GPUとしての能力はかなり低いGV-NX84S512HPでありながらそれなりの数値を出しており、DirectX10以降の対応・非対応で明確な差を見て取ることができる。

 次は、FINAL FANTASY XIV Benchmark。

FINAL FANTASY XIV Benchmark

 興味深いことに、旧世代GPUはことごとく実行不能という結果になった。Windows 8 DP/32bit版では、まがりなりにもGF6200A-LP128Hでスコアを計測できていたことを考えると、対照的である。これが32/64bit版の差なのか、DP/RP版の差なのかは検証できていないが、面白い結果である。DirectX9.0c対応のGF6200A-LP128Hも実行不能という点に、何かあるのかも。


 そして、3DMark06。

3DMark06

 3DMark06では、すべてのGPU
でベンチマークが完走した。やはり旧世代のGPUはほぼ横並びであることを考えると、DirectXの処理方法によってベンチマークが完走するかしないかが変わってくるのかもしれない。そして、GeForce6200A/FX 5700LEとMilleniumG200eがほぼ同スコアというのは、DirectX9対応/非対応では差がでない(OS標準ドライバ相当?)ということなのだろう。

 今回は、将来性を検討するという観点から3DMark11も試してみた。

3DMark11

 そもそもDirectX11対応のビデオカードでないと動作しないというハードルがあるわけで、旧世代GPU+GeForce8400GSが計測不能。残ったRADEON HDとGeForce GT 430で見てみると、傾向はFINAL FANTASY XIV Benchmarkと同様である。

 大まかに分けて、RADEON HDが有利に見えるのがWindowsエクスペリエンスインデックスのゲーム用グラフィックス、タイムリープぶーとベンチ、3DMark06で、GeForceが有利に見えるのがWindowsエクスペリエンスインデックスのグラフィックス、FINAL FANTASY XIV Benchmark、3DMark11となる。以前は、ベンチマークスコアとしてはRADEONが上でも実使用上はGeForceの方が上という感触があったが、今はあまり差を感じなくなった。

 さて、ここからはWebブラウザにおけるGPUアクセラレーションのベンチマークを。まずはWebVizBench。

WebVizBench

 今回は、GeForce GT430搭載のZT-40605-10Lが断トツで速かった。2位グループがRADEON HDグループとなっており、それ以外はすべて1桁スコアだった。ここまで差が明確に出るようだと、GPUアクセラレーションの効果を重視してビデオカードを選択することの重要性が増してくる。Webサービス利用時の快適性がかなり違ってくるだろう。

 さらに、Windows 8搭載のInternet Explorerは、デスクトップ利用時のものとMetroインターフェース(新名称は何になったんだ?)利用時のもので機能が異なるらしいので、Metroインターフェース版のIEでもベンチマークデータを取ってみた。

WebVizBench Metro版

 多少の変動はあるが、概ねデスクトップ版との差はないものと考えて良いだろう。Metro版の方が画面をフルサイズで利用するため描画領域が広いことが、結果が同じにならない最大の理由だとは思うが。


 最後に、Krakenを。

Kraken

 面白いことに、各ビデオカードの間であまり数値に差がでていない。誤差の範囲といって差し支えないだろう。

 こちらも、Metro版Internet Explorerで試してみた。

Kraken Metro版

 なぜか、すべてのビデオカードでJavaScriptの処理速度が向上している。これが、Microsoftが言っているデスクトップ版IEとMetro版IEの差なのか?しかし、なぜか32bit版では高速化していないので、64bit版特有の差なのかもしれない。


 ということで、初めて64bit版のWindowsを使用してベンチマークデータを取ってみたわけだが、結論としてはそろそろDirectX9世代のPCIビデオカードは引退させる方がよいのかもしれないということになった。これまでは、GF6200A-LP128Hでもまだまだ使用できるかも…みたいなスタンスだったのだが、今回のテストでWindows 8世代になったらできればDirectX11対応のGPUを積んでいるビデオカードを使用すべきという考え方に変わってきた。
 そういう意味では、GeForceのKeplerコアを積んだ新作PCIビデオカードが出てくれないかと強く期待するところである。




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