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雑感

PCIビデオカードベンチマーク大会♪第11弾おまけ企画


 2013.03.08
 さて今回、本当に久しぶりに同一のGPUを積んだビデオカードが揃うことになった。すなわち、ZOTACのZT-60604-10Lと玄人志向のGF-GT610-LP1GHDというGeForce GT 610搭載の仕様が異なるビデオカードである。さらには、GeForce GT 430のビデオカードもまだ手元に残っているわけだが、これは現行世代で言えばGeForce GT 620に相当するGPUなわけで、同一世代の同一ブランドGPU間の性能比較を行うことができるまたとない機会がやってきたわけである。
 しかし、いつものベンチマーク大会では概ねの傾向のみしか測っていないので、細かい考察までは難しいのが実情である。

 そこで、ベンチマーク大会の環境を利用して追試を行い、各ビデオカード間の性能差を把握し、今後のPCIビデオカード選びの一助となるようなものを書いてみたいと思う。

 と、狙いはそんなところなのだが、実際に細かい性能差を見るとなるとなかなか難しいところで、細かい結果を示してくれるベンチマークソフトも数少ない。
 今回は、いつも使用している3DMark06と3DMark11の各スコアの内訳を分析することでそのあたりに挑んでみることにする。

 てなわけで、動作環境は本編と全く同一である。

Hewlett-Packard製 HP ProLiant ML110 G5
CPU:intel Pentium DC E2160 (1.8GHz×2)
MEMORY:DDR2 SDRAM 4GB(Non ECC/FSB=800MHz)
Chipset:intel 3200+ICH9R
SSD:Crucial m4 CT128M4SSD2(128GB)
Optical Drive:HL-DT-ST GSA-H60L(OEM)
OS:Windows 8 Professional Bulid9200(64bit)
DirectX:11及び9.0c
Browser:Internet Explorer 10.0.1版

 まずは、それぞれのベンチマークソフトでデータの再収集を実施した。総合スコアは以下のとおりで、本編の結果と同一の傾向を示している。なお、今回は製品名で書くと面倒なので、GPU名とメーカー名で区別するという手抜きを行っているのであしからず。

  GPU       3DMark06  3DMark11
HD5450        P2236    P337
GT610(玄人志向)  P1771    P485
GT610(ZOTAC)   P1444    P506
GT430(ZOTAC)   P1580    P667

 さて、まずは3DMark06の分析を行ってみたいと思う。

3DMark06 ALL/SM2.0/SM3.0

 総合スコアとSM2.0スコア、HDR/SM3.0スコアをグラフにしてみた。これ以外に、CPUスコアも計測できているわけだが、これは1540前後でほぼ一致しているためグラフからは除外した。

 全体としてHD5450が最高値を出しており、SM2.0もSM3.0も優位に立っている。GeForce勢では、同じGT610でも玄人志向が上回っており、メモリ容量の大きさが効いている可能性がある。一方、同じメモリ容量であるZOTAC同士ではGT430の方がわずかに上回っており、コアクロックやメモリクロックの高さよりもシェーダプロセッサ数やユニット数の多さの方が有効であることを示していると言える。
 また、メモリ容量で一歩抜きんでたGT610(玄人志向)だが、4製品の中で唯一SM2.0よりもSM3.0でスコアを落としており、メモリ容量の大きさはSM3.0では効きが悪いようである。

 さらに、SM2.0とHDR/SM3.0のスコアの内訳を見てみたい。

3DMark06 GT1/GT2/HDR1/HDR2

 特徴的なのは、HD5450のみHDR2テストのスコアが他のテストよりも良いということ。このあたりはドライバのクセなのかもしれないが、GeForce勢とは明らかに異なった傾向を見せている。もちろん、他のテストでもGeForce勢を上回っているので、総合スコアで良好な結果を示すのは当然と言ったところである。これで、搭載メモリが1GBのものがあったらどのような傾向を示すのだろうか?

 さてGeForce勢の中では、GT430がGT610にきれいに挟まれるという展開を見せている。GT1のテストではZOTAC同士であまり差がないため、演算ユニット数の違いというよりはメモリ容量の差でGT610(玄人志向)との差が出ているのであろう。しかし、GT2以降のテストでは演算ユニット数の多さでGT610(玄人志向)に迫っているという様相だ。

 次に、3DMark11の方も見てみたい。

3DMark11 Score

 今度はHD5450が最下位になっているのは本編と同様ではあるのだが、実はPhysics Scoreだけはわずかな差ではあるがトップを奪っている(GeForce勢が1149〜1159なのに対しHD5450は1173)。このあたりは、GPUの物理演算能力の高さを示していると思われ、3DMark06のHDR2テストが良好な結果を示していることとの共通点である。

 GeForce勢では、GT430が完全に優位に立ち、GT610はほぼ差がない状況となっている。
 特に、3DMark06では優位に立っていたGT610(玄人志向)が完全にその優位性を失い、それどころかGraphics Scoreでは負けてしまっている(実際にはPhysics Scoreでも負けており、Combined ScoreのみGT610(ZOTAC)をほんのわずかに上回っている)。
 要するに、メモリ容量の優位性はほぼ発揮されず、逆にメモリクロックの低さが足を引っ張るようになってしまっているということなのだ。


 さてさて、ここまで3DMarkの結果を細かく分析してきたわけだが、これからのビデオカード選びのポイントは以下のような感じだろうか?

・メモリ容量は、小容量演算には有効であるが、大容量演算の場合には効果がない
 (データがすべてオンメモリならPCIバスのスループット不足が顕著にはならない?)
・演算ユニット数の多さは正義。GPUクロックやメモリクロックが高くてもカバーできない
・でも、クロックが高いことの効果がないわけではない…

 ということで、今回はGeForce GT 430を搭載しているZT-40605-10Lが妥当ではないか?という結論になるわけなのだ が ぅん?


 実は、同一環境で新しいベンチマークソフトを動かしてみたところ変な結果が。

 動かしてみたのはBIOHAZARD6ベンチマークである。

BIOHAZARD6ベンチマーク

 まぁ、いずれもRANK Dということでとてもゲームのプレイは無理なのだが、注目はGT430(ZOTAC)の結果。グラフでは0としているが、実際はこのビデオカードのみ「Unsupported function」のエラーメッセージを発してベンチマークが完走しないのである。
 機能的には不足していないはずなのだが、BIOSの問題なのか、あるいはGF108コアとGF119コアにはなんらかの差異があるのか、同一環境において動作しないソフトが存在するという事実は動かしがたい。
 やはり、なるべく新しいGPUを積んだビデオカードを買うべきなのかもしれない。

 ちなみに、新しい3DMarkは現在の環境では動作しなかったり(笑)。



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